脳卒中再生医療
Stroke regenerative medicine
当クリニックは、厚生労働省に治療計画が受理された後、脳卒中再生医療を行っております。
脳卒中の後遺症改善に対して、厚生労働省認定の再生医療「脳卒中による自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた治療(計画番号:PB3210118)」を受けていただけます。
脳卒中について
脳卒中とは
脳卒中とは突然脳の血管に障害が起こり、血液の供給を受けることができなくなった脳細胞が死んでしまう疾患で、

脳出血
脳出血とは、脳の中にある小さな血管が切れる、または破れるなどして出血が起こることで、脳機能が傷害された状態です。脳出血では出血部位に応じて分類され、症状や治療方針がそれぞれ異なってきます。
症状としては、部位や出血量によりますが、多くの場合は頭痛、吐き気、嘔吐、しびれ、左右半身の麻痺、言葉が出にくいなどのさまざまな症状が起こります。さらに出血量や部位によっては、意識障がいや昏睡状態に陥り、生命に危険がおよぶこともあります。

脳梗塞
脳梗塞は、脳血管が詰まってしまい、血液が脳に循環しなくなることで、その部分が壊死してしまい障害が出ることです。脳梗塞は血管の詰まり方によって、太い血管の内側に血栓が生じるアテローム血栓性梗塞、細い血管が詰まることをラクナ梗塞と呼びます。
症状としては、どの部位に発生するかによりますが、顔や手足などに麻痺やしびれ、声を出すことが困難になる、飲み込みが困難になる、めまい、ふらつきなど、さまざまな症状が出てきます。

くも膜下出血
くも膜下出血は脳を覆う3層の髄膜のうち2層目と3層目の間に出血し、脳脊髄液中に血液が混入した状態です。40代以降の女性で多く見られ、発症者数は女性が男性に比べおよそ2倍ほど多い疾患です。原因は脳動脈瘤と呼ばれる動脈の一部が膨らむ異常が発生し、それがある日突然破裂することにより出血を起こすことが殆ど(80%~90%)の原因です。症状は突然、強い頭痛に襲われ、嘔吐を伴うこともあります。その他には意識がもうろうとする、昏睡状態になる、手足の麻痺、視覚の異常等が程度によって発生いたします。
脳卒中再生医療とは?
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)などの脳血管障害によって失われた脳細胞は、二度と再生されることはないとされてきました。しかし、さまざまな細胞に分化することができる幹細胞の発見以降、失われた組織や細胞を再生・新生させる「再生医療」の臨床研究が進むにつれ、幹細胞の投与によって損傷領域の縮小や身体機能の改善といった効果があることが分かってきました。

当クリニックの脳卒中再生医療は、根本的な治療がない(困難)といわれていた病状に対して、幹細胞やサイトカインを損傷部にとどけ、損傷した神経回路を再構築することを目指す治療で、
具体的には、当院で採取したご自身の骨髄液を専用の培養施設にて1億個以上にまで増やし、点滴によって静脈投与します。
骨髄由来幹細胞点滴とは?
骨髄由来幹細胞点滴とは、
今までは根本的な治療がない(困難)といわれていた病状に対して、損傷された細胞を修復させる、新たな細胞を体内に収着させる、再構築させることを目指す治療です。
当クリニックの脳卒中再生医療の特徴

先進リハビリと幹細胞点滴の組合せ治療
「自分自身を治そうとする力」が最も高まるのは、幹細胞点滴中または直後であることが分かっています。これは、体内に入った幹細胞は血流とともに損傷した部位に集まっていく(遊走する)ためです。そのため当クリニックでは、幹細胞点滴治療中に先進リハビリを同時に行うという当クリニック独自の脳卒中再生医療を行い、再生医療やリハビリの効果をさらに高めることに努めています。

骨髄由来間葉系幹細胞による点滴治療
現在、脳卒中再生医療に主に用いられている間葉系幹細胞は、「脊髄由来」と「脂肪由来」の二つです。脂肪由来の方が採取も培養も容易という利点はあるのですが、神経細胞へ分化する能力という点では骨髄由来の方が高いことが分かっています。逆に骨髄由来の間葉系幹細胞は、採取や培養に高い技術力が必要な半面、神経細胞へ分化する能力が高いため、当院では「骨髄由来間葉系幹細胞」を基本的に用いています。
脳卒中再生医療 骨髄由来幹細胞治療の流れ
当クリニックの骨髄由来幹細胞点滴の治療期間の目安は、通常1クール(3回投与)は4~5カ月間となります。
通院回数は5回の通院で幹細胞点滴を受けてただいております。
治療終了後から約1カ月後に検診をさせていただいております。
脳卒中再生医療の流れ
問診・診療
カウンセリング
通院
まずはご来院いただき、問診・診療カウンセリングで患者様の過去の既往歴から発症の経緯、また後遺症、病状や治療の目的、再生医療の効果や可能性、リスク、治療を受ける上での向き合い方などしっかりとお話しさせていただきます。
目安時間:約1時間半前後採血・感染症検査
初診当日に治療を希望(同意)された患者様には、感染症検査(採血)を実施いたします。感染症のウイルスなどをお持ちの方は細胞培養ができないため、感染症がないことを確認いたします。
検査結果までの目安時間:約1週間前後骨髄穿刺
(骨髄液採取)
通院
専用服に着替え、血圧測定の為のモニターをつけます。腰上部あたりを局部麻酔をし、専用の注射器で腸骨(骨盤をつくる左右の寛骨の上部を占める大きな骨)から骨髄液を採取します。採取には約30分程度のお時間になります。
採取後は止血のため、約30分程安静に休んでから帰宅いただきます。
※止血時間はお身体状態によります
幹細胞の培養
採取した骨髄液を、その日の内に細胞培養加工センターに送り、細胞を培養していきます。患者様から採取された骨髄液は厳重な保管を施し、温度管理を維持したまま、その日の内に国内の細胞培養加工施設に輸送され、安全キャビネット内にて細胞培養を行います。
臨床効果があったという報告が多い生細胞数1憶個/回を目標として細胞培養を行い、得られた細胞に幹細胞がしっかり含まれていることを確認します。
細胞の培養数、培養時間には個人差があります。上記期間は目安です。
幹細胞投与
(点滴投与)1回目
通院
ご自身の骨髄細胞を基に培養し増やした細胞をお身体に点滴で投与します。
所要時間:約2時間半程度幹細胞投与
(点滴投与)2回目
通院
4週間後に2回目の幹細胞投与を行います。
所要時間:約2時間半程度幹細胞投与
(点滴投与)3回目
通院
4週間後に3回目の幹細胞投与を行います。
所要時間:約2時間半程度検診 通院
治療終了後から約1カ月に検診を行います。
目安時間:約60分程度脳卒中再生医療の期待できる効果
身体機能の回復
体内に投与した骨髄由来間葉系幹細胞によって、脳細胞の損傷による麻痺や言語障害などの身体機能の回復が期待できます。また、間葉系幹細胞から放出されるサイトカインの神経保護作用によって、痛みや不快感の軽減も期待できます。
リハビリの効果を高める
「自分自身を治そうとする力(自己治癒力)」を最大限に引き出すのが再生医療です。
自己治癒力が高まっている状態でリハビリを行うことで、リハビリの効果をさらに高める効果が期待できます。
脳卒中再発の予防
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)は、再発しやすい疾患として知られています。
幹細胞点滴による脳卒中再生医療は、破れたり詰まりやすくなっている脳の血管を修復・保護してくれるため、脳卒中の再発予防としても期待されている治療なのです。
後遺症改善に期待できる具体的な効果
後遺症 | 効果が期待できる主な症状 |
---|---|
感覚障害 | ・手足のしびれや麻痺 ・物に触る触覚 ・冷たい、熱いを感じる温感 |
歩行障害 | ・下肢の痺れ、麻痺 ・歩行時のふらつき |
排尿・排便障害 | ・排尿、排便の自己によるコントロール ・排尿時の痛み |
失語症・言語障害 | ・言葉や文字の理解 ・発声や読み書き ・意思の疎通 |
リスクと副作用
骨髄液を採取する「骨髄穿刺時」、および幹細胞を投与する「点滴投与時」には、下記のようなリスクや副作用を生じる可能性があります。当院ではこのようなリスクや副作用が生じないよう最大限の努力をしており、現在のところ重篤な副作用が生じた例はありません。診察や検査の結果、治療のリスクが高いと医師が判断した場合には、治療をお断りする場合があります。予めご了承ください。
治療 | リスク・副作用 |
---|---|
骨髄穿刺 (骨髄液採取)時 | ・局部麻酔によるアレルギー ・皮下出血、皮下血種 ・穿刺部の不快感 ・穿刺部からの感染 |
幹細胞点滴投与時 | ・アレルギーによるショック ・肺血栓塞栓症 ・刺入部からの感染 ・刺入部の発赤 |
脳卒中再生医療に係る治療計画
安全方針について
厚生労働省の法律改定に伴い、再生医療を実施している全ての医療機関は、再生医療等委員会の審査を受けた上で厚労省への届出が義務づけられました。
当クリニックでは、実施している再生医療活動が日本の各種関連法規に準じており、再生医療等の安全性の確保等、再生医療の適正な提供が実施されるかを、当クリニックとは全く関係を有しない再生医療等委員会「日本医理工連携 特定認定再生医療等委員会(認定番号:NA8200005)」にて審査・承認を受けております。また厚生労働省に治療計画が正式に受理された後に、再生医療を実施しております。
厚生労働省の承認を正式に受けて、再生医療を提供しております。
当クリニックは、厚生労働省に再生医療等治療計画を受理された再生医療等提供医療機関です。
再生医療治療計画

脳卒中による自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた治療
(計画番号:PB3210118)
治療計画
脳卒中による自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた治療
特定認定再生医療等委員会 審査日
2021-11-30
判定
承認
厚生労働省受理
2021-12-10
計画番号
PB3210118
脳卒中再生医療の費用
当クリニックの脳卒中再生医療(幹細胞点滴治療)の費用は下記の通りとなります。
診療カウンセリング料 | 医師による診察・カウンセリング(約1時間半前後) | 11,000円 |
---|
幹細胞点滴1回 | 幹細胞点滴2回 | 幹細胞点滴3回 | |
---|---|---|---|
幹細胞点滴 | 1,650,000円 | 2,750,000円 | 3,850,000円 |
血液検査 | 1回 | ||
骨髄穿刺 (骨髄採取) | 1回 | ||
血液検査 | 1回 | ||
幹細胞投与(点滴) | 1回 | 2回 | 3回 |
検診 | 最終投与(点滴)から1か月後 | ||
安全性検査 | ・細胞数のチェック ・細胞形態のチェック ・細胞生存率のチェック ・無菌試験 エンドトキシン試験 ・マイコプラズマ否定試験 | ||
処方薬 | 必要に応じて適宜処方します | ||
幹細胞点滴時 再生医療リハビリ | 1回 | 2回 | 3回 |
【オプション】臍帯由来 幹細胞上清液療法 | 1本(1cc) 22,000円 |
上記費用は税込となっております。
モニター価格につきましては、医師の診察の結果、患者様の状態や適応によりモニター施術ができない場合がございます。あらかじめご了承ください。
上記費用に関しては標準的な費用となります。
詳しくは、お問い合わせください。
脳卒中再生医療についてよくあるご質問
再生医療を受けると脳卒中は完治しますか?
残念ながら、再生医療は脳卒中によって損傷した組織や神経を100%完治させることをお約束できる治療ではありません。しかし、麻痺などの障害を改善させ、日常生活の質を改善させる効果は期待できます。
再生医療についてメリットだけでなくデメリットについても詳しくご説明しますので、まずはお気軽にご相談ください。
健康保険は適用されますか?
当院の脳卒中再生医療は、医療保険、高度先進医療保険の適用がない自由診療となります。ただ、医療費控除は適用されます。詳細は管轄の税務署にお問い合わせください。